deviated septum鼻中隔弯曲症

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鼻中隔弯曲症とは?

鼻中隔弯曲症とは、鼻を左右に分ける仕切りである鼻中隔が極端に曲がっている状態を言います。成人の場合、90%以上の方は鼻中隔が左右どちらかに曲がっており、曲がり方も様々です。日常生活に支障がなければ鼻中隔が曲がっていても問題ありませんが、弯曲の程度が大きく、左右の空気の流れのバランスが崩れ、鼻づまりなどの症状が現れる場合は「鼻中隔弯曲症」と診断されます。

鼻中隔弯曲症の原因

鼻中隔は、「鼻中隔軟骨」「鋤骨(じょこつ)」「篩骨正中板(しこつせいちゅうばん)」と呼ばれる軟骨と骨の板で構成されています。顔が成長すると共に鼻も成長しますが、軟骨の方が骨より成長が早いためバランスを崩しやすく、徐々に弯曲が起こってきます。

軽い弯曲は赤ちゃんにも見られますが、成長していくにつれて弯曲する割合は高くなります。鼻の成長は思春期くらいまで盛んで、10歳頃から弯曲が徐々に強くなってきて、女性で13~15歳、男性では15~18歳頃には弯曲がはっきりしてきます。鼻のどちら側に弯曲するかについては、生まれて初めて鼻をぶつけた時(First Trauma)のぶつけ方で決まるという説があります。稀に幼少時のぶつけ方が酷かったために前方から強く弯曲したまま成長し、成人になって手術をすると中で軟骨や骨が折れたままた固定されている「鼻骨変形治癒骨折」の状態の方もいます。

また、鼻中隔弯曲は2足歩行する動物に起きる現象のため、「直立している姿勢から引き起こされる」と考える説も有力になっています。4足歩行の動物と比べて、人間の鼻と口はほとんど前に出っ張っていません。さらに、人類の脳は発達して大きくなっています。鼻の上に位置する前頭葉は特に大きいため、重みが鼻中隔にかかってしまうとも言われています。

鼻中隔弯曲症の検査

鼻中隔の弯曲の程度がどれくらいか、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎などの合併症がないかどうかを調べ、治療方法を決定します。

視診・前鼻鏡による診察

鼻鏡という器具で鼻の穴を拡げ、鼻中隔を直接観察します。前鼻鏡による視診だけでも弯曲がどの程度かどうかがわかることは多いです。特に前から曲がっている場合などは、鼻の見た目(外鼻)の曲がり方も確認しながら評価します。

内視鏡検査

細い内視鏡を鼻の穴に挿入し、鼻腔内を詳細に観察します。鼻中隔だけではなく、鼻粘膜の状態や、ポリープ(鼻茸)などの合併症の有無も調べます。

鼻腔通気度検査

鼻の左右の空気抵抗、両鼻で呼吸した場合の空気抵抗を調べることで、鼻の通り方を客観的に調べることができます。手術の後、鼻づまりが改善したかを調べる際にも役立つ検査です。

CT検査

CT検査

当院に設置していますコーンビームCTは骨の構造の詳細を描出することができますので、鼻中隔の曲がり方や副鼻腔炎の合併の有無を精確に調べることができます。

鼻中隔弯曲症の治療

対症療法

鼻中隔弯曲自体には薬での治療は全く効果はありませんが、空気の通り方のバランスを崩すことで周りの鼻粘膜が腫れている状態に対してはある程度の効果を期待して薬を処方することがあります。抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬や、血管収縮薬と抗ヒスタミン薬の合剤(ディレグラ®)、鼻噴霧ステロイドなどを処方します。また、温かい生理食塩水で鼻うがいをすることで軽い鼻づまりは改善することもあります。

手術療法

手術によって弯曲した軟骨や骨を鼻から取り除いて行います。対症療法でも鼻づまりの改善が見られず、日常生活に支障を来す場合には手術をお勧めします。

鼻中隔の曲がった軟骨や骨を切除し、左右の空気の通り方のバランスを整える手術、「鼻中隔矯正術」は現在、内視鏡を用いて行うことが多く、「内視鏡下鼻中隔手術」という手術名となっています。粘膜下下鼻甲介骨切除術(内視鏡下鼻腔手術)、経鼻腔翼突管神経切除術(後鼻神経切断術)などと組み合わせることでより効果的に鼻づまりを改善させることが可能となります。

内視鏡下鼻中隔手術には数種類の手術術式があり、鼻中隔の曲がり方や曲がっている位置によって手術方法が変わりますので、まず検査、診察で鼻中隔の曲がり方がどのようなタイプなのか、どの手術方法が適しているのかを把握してから手術を行う必要があります。

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