舌下免疫療法とは？

舌下免疫療法とは、スギ花粉、ダニアレルギー性鼻炎（ハウスダスト）への治療方法の1つです。
アレルギーの原因となるアレルゲン（スギ・ダニ）を少量から服用することで、体をアレルゲンに慣らし、根本的な体質改善を期待する治療法です。
毎日アレルゲンを含んだ錠剤を舌の下に置いて溶かし、服用していきます。治療は３～５年ほど続ける必要があります。
舌下免疫療法は、スギ花粉症、ダニアレルギー性鼻炎と確定診断された方でしたら、保険適用で受けられます。

舌下免疫療法が向いている方

• アレルギー症状が強く、日常生活に支障を来たしている方
• 薬では症状が抑えきれない方
• 将来的にずっとアレルギー症状に悩まされたくない方
• 長期間にわたって毎日継続して薬を服用できる方

など

舌下免疫療法を開始できない・慎重に検討すべき方

• 5歳未満の子供
• 妊娠中・授乳中の方
• 重症・コントロールできていない気管支喘息の方
• 重症の心疾患・肺疾患・高血圧症の方
• 抜糸直後や、口内炎など口の中に傷がある方

など

具体的な治療内容

1日1回、舌の下に錠剤を投与し、少量から服用を開始します。
決められた一定量を数年間にわたり継続して服用する必要があり、治療期間の目安は3～5年です。年単位の時間がかかり、根気が必要な治療となります。また月1回の通院が必要となります。

スギ花粉症の治療

スギ花粉症の治療を行う場合、アレルゲンに対して過敏になっている場合が多いため、花粉が飛散する1～5月には治療できません。治療開始は花粉が飛散していない6～12月となります。初回は医師の監督下で服用し、体調を把握するために少なくとも投与後30分は院内で待機します。
（現在、スギ花粉症の舌下免疫治療は薬剤不足により継続して行っている方のみの治療となり、新たに始めることがなかなかできない状況です。初めての方は毎年6月以降に開始していますが、薬剤の入荷状況はお問合せください。）

ダニアレルギー（ハウスダスト）の治療

ダニアレルギーの治療薬は、基本的に時期の制限なく一年中服用を開始できます。初回は医師の監督下で服用し、投与後30分は院内で待機します。

注意点

舌下免疫療法を行うにあたっては、以下のような注意点があります。

• 3～5年程度と長期間、毎日薬を飲み続けないと効果がみられないこともあります
• 副作用が起こる可能性がありますので激しい運動、入浴の前後に服用しないようにしてください

副作用

舌下免疫療法の副作用として、次のような症状が起こる場合があります。ほとんどが一時的な軽い症状ですが、いつまでも治まらないようであればすぐに受診してください。

• 口内炎
• 喉のかゆみ
• 耳のかゆみ
• 舌下の腫れ
• 口の中の腫れ
• 頭痛

など

稀に起こる重篤な副作用

舌下免疫療法では今まで重篤な副作用は報告されていませんが、極めて稀に「アナフィラキシーショック」と呼ばれる重篤な副作用が起こる可能性は否定できないと言われています。
万が一、以下のような症状が現れたら救急を受診しましょう。

• 脈が速くなる、不規則になる
• 蕁麻疹など、皮膚症状が出る
• 呼吸が苦しくなる
• 意識が朦朧とする

など

小学生からのアレルギー性鼻炎の治療

子供の舌下免疫療法

JR京都駅から徒歩すぐ・おぎのクリニック京都駅前では、お子様の健やかな成長をサポートするために、お子様のアレルギー性鼻炎に対して舌下免疫療法を行っています。舌下免疫療法は、スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎など、お子様のアレルギー症状の改善に有効です。

子供の舌下免疫療法のメリット・デメリット

メリット

根本的な改善が期待できる

単なる症状の抑制ではなく、アレルギーを引き起こす体質そのものにアプローチし、根本的な改善を目指すことができます。ステロイドや抗アレルギー薬とは異なり、治療を終えてもその効果は持続します。

早期の治療開始で長期の安心

小さい頃から舌下免疫療法を開始することで、アレルギー症状に悩まされる期間が短くなり、長期にわたって快適に毎日を過ごすことが可能になります。

「こども医療費助成制度」が適用されます

舌下免疫療法は保険診療ですので、「子ども医療費助成制度」が利用できます。自治体の制度により異なる場合がありますが、基本的に0歳から中学3年生までは自己負担なし（無料）、または数百円程度の負担となり、治療費の負担が抑えられます。

デメリット

長期間、毎日服用が必要

舌下免疫療法では、日々の服用が欠かせません。1日1回の服用を数年間続ける必要があり、途中で服用をやめてしまうと治療効果がゼロに戻ってしまう可能性があります。

服薬前後に活動制限がある

薬を飲んだ前後約2時間、激しい運動や入浴を避ける必要があります（成人の場合、飲酒も制限されます）。

子供の舌下免疫療法を成功させるコツ

当クリニックでは、お子様が舌下免疫療法を開始するタイミングとして、小学3～4年生の頃をお勧めしています。この時期でしたら、ご本人の治療への協力が得やすく、毎日の服用も比較的スムーズに行えることが多いからです。

舌下免疫療法を成功させるコツは、保護者の方がしっかりとお子様の様子を観察して、一緒に治療を進めていくことです。中学生になるまでの期間は、お子様と一緒に過ごす時間が長く、食事も共にすることが多いため、服薬のフォローがしやすいと言えます。

子供の舌下免疫療法では、保護者の方のサポートが不可欠です。一緒に治療を進めて、快適な毎日を目指して頑張りましょう。