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SNOT-22(鼻副鼻腔炎に関する自覚症状調査票)

2024.05.19

当院に通院されている方に、このアンケートへの記入をお願いすることがあります。
SNOT-22という、世界で最もよく用いられている鼻副鼻腔炎に関する自覚症状調査票です。
10年前、手術治療の効果をしっかりと把握したいと考え、どのような調査票を採用すべきか調べたところ、海外ではこのSNOT-22がスタンダードな調査票となっていました。
ただ、当時、日本語版が無く、自分でどうにかしないといけないと思い、拙い英語でワシントン大学にメールを送り、ほとんど読めない契約書にサインをし、日本語版の作成を許可していただきました。作成するだけでは使用するわけにはいきませんでしたので、頑張って論文化し、2017年から日本で使用することができるようになったという経緯があります。「Sino―NasalOutcomeTest(SNOT―22)日本語版の信頼性・妥当性・治療反応性の検討」(あまり面白くない堅い論文です)
英語が苦手な私にとってはワシントン大学とのやりとりが大変でしたので、無事作成できたことが奇跡ともいえ、若かったからできたのかなと懐かしい気持ちになる、思い入れのある調査票です。
今年の4月、日本鼻科学会より「鼻副鼻腔炎診療の手引き」が17年ぶりに改訂され発刊されました。早速読んでいますと、「臨床スコア」としてSNOT-22が紹介されているのを発見し、素直に嬉しい気持ちになっております。生物学的製剤注射治療など、新しい鼻副鼻腔炎の治療の効果判定にも用いることができるようです。
毎回受診されるたびに記入をお願いしている方にとっては項目が多く、面倒な調査票ですが、これからもご協力をよろしくお願いいたします。

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