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講演:「診療所で行う嗅覚障害の診療」

2023.08.27

 先日、私の所属する医師会の先生方の研究会にて「診療所で行う嗅覚障害の診療」というタイトルで講演する機会をいただきました。
 基準嗅覚検査(T&Tオルファクトメトリー)という5種類のにおいをかいでどのくらいの「嗅力」かを判定する検査があるのですが、強力な換気設備が必要ですので2021年の時点で耳鼻咽喉科診療所での設置率は3%にとどまり、耳鼻咽喉科医のなかでも嗅覚診療を専門としている医師はとても少ないのが現状です。一方でCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)が流行してから嗅覚障害になってしまう患者さんが激増したため、嗅覚障害の診断とフォローへのニーズが高まっています。
 これまで約200人の方がCOVID-19による嗅覚障害にて来院されましたが、症状の特徴(嗅力の低下は軽度で1か月以内に90%近くが自然治癒するものの、異嗅症状を認める患者さんが多い)、副鼻腔CTを撮影すると半数近くの患者さんに嗅粘膜が分布する嗅裂の閉塞所見を認めるといった特徴(藤尾久美、井上莉沙、荻野枝里子「CT 画像を用いたCOVID-19 嗅覚障害の重症度評価と予後因子の解析」日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報,2023;126:863-870. )などについてお話ししました。
 また、嗅覚障害を高率にひきおこす好酸球性副鼻腔炎という難治性の副鼻腔炎の診療について、気管支喘息との同時診療、内視鏡手術のポイント、最近の生物学的製剤(デュピクセントⓇ)による治療についても話しました。
この夏のCOVID-19は今までで一番といっていいほど流行していますので、その影響で今回の研究会もこじんまりしたものとなりましたが、初めてお会いすることができた地元の開業の先生方とお話する機会もあり、いろいろと勉強になりました。

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